【ゾクッとする月曜】終電を逃した駅前で知らない人と缶コーヒーを飲んだ結果、静かすぎる一夜が刺さるSS
終電後の駅前、缶コーヒー片手に始まる何気ない会話。派手な怪異はないのに、気づけば最後の十円玉まで頭から離れなくなるスレだった。
月曜の夜に静かな話を書きたくなった。派手な展開はないけど、仕事帰りの空気と少しだけ救われる感じを書けたらいい。数レスずつ投下するので、暇なら付き合ってくれ。
勝ち負けなんてあるんですかって聞いたら
「月曜に甘いの買える人は、まだ今週に期待してる人です」
って言われた。
知らない人に言われるには、妙に図星だった。
違いが分からなくて黙ってたら
「ああ、変なこと言いましたね」って先に笑った。
「仕事は終わっても、帰るのは終わらない日あるでしょう」
って。
相手はうなずいて、自分のブラックを見た。
「自分で帰れなくしたわけじゃないなら、立ち止まる日くらいありますよ」
その言い方が、慰めというより確認みたいだった。
そこで初めて、この人も今日は何かあったんだろうと思った。
相手は自分の視線に気づいたのか
「寒がりで」って短く言って、缶を持ち直した。
でも缶の表面、全然ぬれてなかった。
自分の缶はもう水滴で指が冷えてたのに。
やっと返ってきたのは
「帰る相手は、いました」だった。
過去形にも現在形にも聞こえて、聞き返せなかった。
それで自分も少し聞いてみた。
「このへん、前に住んでたんですか」
相手は首を振って
「住む前に、いなくなりました」
って言った。聞き間違いかと思った。
その直後、相手がふっと笑って
「春は、間に合わなかった人にも少しだけ優しいから」
って言った。
意味は分からないのに、不思議と反論したくなかった。
見送ってから、バスまでまだ少し時間があることに気づいた。
さっき相手が缶を入れたはずのごみ箱を、なんとなく見た。
中には自分の飲んだ缶と同じ銘柄しか入ってなくて
その人が持っていたはずの黒い缶だけ見当たらなかった。
結局そのままバスに乗って帰った。
家に着いてコートを脱いだ時、ポケットから十円玉が一枚出てきた。
自販機で小銭は使ってない。
いつ入ったのか分からないまま、今も机の端に置いてある。
派手なオチないって>>1で言ってたのにちゃんと月曜の心臓だけ掴んで終わったな
乙
答え出ないままでいいや