【怖すぎ】終電後の無人駅、ベンチにいた少年の正体が“昔の自分”だった件
終電を逃した>>1が辿り着いたのは、存在しないはずの駅「ゆめのあと」。そこにいた少年は、忘れたふりをしてきた過去そのものだった。
眠れないから書く。たぶん暑さで頭がおかしかっただけなんだけど、昨日の夜に見たものがまだ忘れられない。ゆっくり投下する。
すまん、少し落ちてた。
駅のホームは古い木の屋根で、蛍光灯が何本か切れてて、ベンチに小学生くらいの少年が座ってた。
最初は終電逃した子かと思って声かけた。
少年はこっち見て「遅かったね」って言った。
知らない子にそう言われて固まったんだけど、顔が妙に見覚えある。
親戚の子とかじゃなくて、アルバムで見た昔の俺に似てた。
手の甲に小さい三日月みたいな傷跡があった。
俺にも同じのがある。
小3の時、駐輪場で転んでサビたスタンドに引っかけた傷。まだ消えてない。
そこで駅名標を見た。
白い板に黒い文字で「ゆめのあと」って書いてあった。
漢字じゃなくてひらがな。
その瞬間、腹の奥が冷えた。
「ゆめのあと」は俺が小6の卒業文集に書いた作文の題名だった。
将来の夢とかじゃなくて、転校する友達に何も言えなかった話を書いたやつ。
自分でも忘れてた。
誰に、とは聞かなくても分かった。
小6で転校した友達に、最後の日にひどいことを言った。
本当は寂しかっただけなのに、「別にいなくても困らない」って言った。
少年は続けて言った。
「おばあちゃんの電話、面倒くさがって切った」
「部活やめたいって言えなかった」
「好きだった子の手紙、読まずに捨てた」
全部、俺が忘れたふりしてたことだった。
少年は「佐伯くん、まだ待ってたよ」って言った。俺は思わず「何を」って聞いた。少年は首をかしげて、「来るのを」って。
俺は駅の電光掲示板を見た。さっきまで何も表示されてなかったはずなのに、そこに日付が出てた。2007年8月23日。俺が中2だった夏の日付だった。
写真を撮ろうとした。スマホを出したら圏外で、カメラだけは開いた。でも画面には駅じゃなくて、昔の俺の部屋が映ってた。学習机と、青いカーテン。
俺は「知らなかった」って言った。少年はすぐ「知らないままでいいって決めたんでしょ」って返した。声は静かだったのに、ホーム全体が少し暗くなった気がした。
>>115俺、行けなかった。足がレールの手前で止まって、向こうのジャージだけ見てた。少年は責めるでもなく「あー、やっぱり」って小さく笑った。
乗った。少年は乗らなかった。ドアが閉まる直前に「忘れてもいいけど、なかったことにしないで」って言った。そこで電車が動いた。
駅を出て、家に帰って、切符を机に置いた。いま見ても文字は読める。でも写真には写らないし、検索しても駅名は出ない。だから俺に残ったのは、古い日付の切符と、少年の声を忘れたくないって気持ちだけ。