【悲報】10年越しの初恋、春の駅前で“存在しないユーザー”になる
春の夜、駅前で昔好きだった人に似た人物を見かけた>>1。懐かしいだけの話かと思いきや、癖、あだ名、時刻のズレ、残された手紙と傘でスレ民が静かに沈んでいく展開に。
書き溜め少しある。眠れないから投下する。たぶん恋愛というより、置いてきた自分の話。
>>1です。
駅前って言っても地方の大きめの駅。終電前で、バス停の列がまばらで、桜はもう散りかけ。
風がぬるくて、みんな上着を手に持ってた。
>>1です。
改札の横にある柱のところで、スマホ見ながら誰か待ってる人がいて。
最初はなんとも思わなかったんだけど、顔を上げた瞬間の横顔が、昔好きだった人に似てた。
そこで足が止まった。ほんとに足だけ止まった。
その人、勉強してる時に左手で前髪を耳にかける癖があって。
耳にかけたあと、なぜか少しだけ指先を見てから、またペンを持つ。
俺はそれを隣で何回も見てた。見ないようにしてたのに、覚えてる。
高3の秋くらいに、相手が県外の大学を受けるって聞いた。
俺は地元の専門に行くつもりだったから、その時点で終わりが見えた気がした。
始まってもないのに終わりだけ先に来るの、変だよな。
卒業式の前の日、手紙を書いた。
好きだったって言うだけの短いやつ。
便箋を三回くらい書き直して、封筒に名前まで書いた。
でも卒業式の日、渡せなかった。
で、今日駅前で見た人がさ。
スマホをしまって、前髪を耳にかけたんだよ。
そのあと一瞬だけ指先を見た。
図書室で見てた、あの癖と同じだった。
声は小さかった。
電車のアナウンスと、人の足音でほとんど消えてた。
でも聞こえた気がした。
俺の高校の頃のあだ名だった。
プロフィール画像は灰色になってた。
名前も表示されない。
送ろうとしたら、このユーザーは存在しません、みたいな表示が出た。
さっき見返した。
写真の時計は23時12分だった。
でもスマホの撮影時刻は22時48分になってた。
駅前に着いたのは23時過ぎのはずなんだ。
手紙には、好きとか付き合ってとかは書いてなかった。
「駅前の桜、夜に見ると白くて変だよね」って書いてあった。
あと最後に「大人になったら、忘れてもいいよ」ってあった。
俺は「違います」って答えた。
本当はわからなかった。
でも、あの傘を受け取ったら、俺はまた追いかける理由を作ってしまう気がした。
だから違うことにした。