【悲報】終電で未来を読まれた男、ただの“過去ログ通りの人間”だった
終電の車内で隣の女が見ていたメモには、自分の行動が秒単位で書かれていた。オカルトか監視社会かと思いきや、最後に刺さったのは掲示板民全員への特大ブーメランだった。
スマホ画面が見えたんだが、明らかに明日の俺の行動が箇条書きされてた。降りる駅まであと7分。書けるだけ書く。
一行目はこうだった。
「0:13 終電で右隣の男がこちらを見る」
今が0:13だった。
俺は右隣に座っていた。
通知が出た。
女の画面上部に短い文章が出た。
「予定を前倒しします」
電車が揺れた。
俺の左手が鞄に触れた。
女の画面では「左手」と「ファスナー」の横に小さなチェックが入っていた。
「傘を忘れる」だけ未チェックだった。
電車がまた揺れた。
傘がポケットから抜けて、座席の端に落ちた。
女は傘を拾わなかった。
画面を一度だけ叩いた。
「0:19 男、傘を忘れる」が青くなった。
次の行が見えた。
「0:20 女、名前を確認」
次の行が見えた。
「0:21 男、右を見る」
見ないようにした。
スマホだけを見ていた。
窓に反射した女の画面が右側に映った。
俺は右を見た。
女の画面が一瞬、箇条書きではなくなった。
ブラウザのように見えた。
文字列が見えた。
「終電で隣に座った女が俺の未来日記を読んでた」
このスレタイだった。
女は俺を見なかった。
画面だけこちらに少し向けた。
このスレだった。
>>73が表示されていた。
その下に、まだ投稿されていない文章が並んでいた。
女はスクロールした。
箇条書きの上にタイトルがあった。
「終電スレ反応メモ」
その下に住民名が並んでいた。
俺の名前はなかった。
女は画面をこちらに向けた。
箇条書きの一番上にこうあった。
「0:18 男、画面を未来日記と誤認」
俺はそこを最初に見ていなかった。
女は小さく笑った。
「未来ではなく、ログです」と言った。
俺が投稿する前から、俺の癖はこのスレに出ていた。
住民の癖も出ていた。
さらに見せられた。
「終電7分」は残り時間ではなかった。
俺の過去スレの投稿間隔の平均だった。
俺は認めた。
俺が見たのは未来ではなかった。
過去の俺から作られた、次の俺だった。
女は最後に言った。
「導入はいいです。でも、怖がらせた後の説明が少し長いです」
俺は敗北を認めた。
俺は聞いた。
「それも、俺が書いたんですか」
女は首を振った。
「みんな書きます」
俺は一駅先のホームに降りた。
終電はもうなかった。
女の姿もなかった。
続き書く。
ここまでが1話目。
元スレッド: 終電で隣に座った女が俺の未来日記を読んでた(196レス)