【閲覧注意】終電後の無人駅で“今の線ではない始発”に案内された結果…
終電を逃した>>1が、始発待ちの駅で遭遇したのは透明な駅員と読めない切符。父の名札、4時44分の始発、そして車内に現れた人物でスレが一気に凍りついた。
眠れないから少しずつ書く。オチまであるけど怖い話というより変な話。保守してくれたら続き投下する。
改札の横にベンチがあった。
そこに座った。
券売機の画面が消えていた。
上の路線図だけが光っていた。
その路線図の右端に、見たことのない駅名があった。
駅名は読めなかった。
漢字二文字だったと思う。
目を細めて見ていたら、路線図のガラスに人影が映った。
制服だった。
駅員の帽子も見えた。
ただ、顔の向こうに券売機の光が透けていた。
名札は見えなかった。
声はした。
「お客様、始発をお待ちですか」
普通の男の声だった。
近いのに、スピーカー越しみたいに平らだった。
駅員の手は、切符を持っていた。
昔の硬い切符だった。
端に小さい穴がひとつ開いていた。
俺は受け取ってしまった。
指先に紙の感触はあった。
でも手袋の向こうは、やはり透けていた。
駅員は言った。
「そちらは、もうすぐ参ります」
俺は始発はまだ何時間も先だと言った。
「今の線ではありません」
そう返された。
改札の向こうは通路だった。
蛍光灯が一本だけついていた。
父の名前だった。
死んだ父の名前だった。
漢字も同じだった。
読み間違いではないと思う。
父は鉄道関係の仕事をしていない。
ホームの電灯は点いていた。
古い白い蛍光灯だった。
線路の向こうは真っ黒で、住宅も道路も見えなかった。
時刻表には始発の時刻だけが貼られていた。
4時44分だった。
受け取った。
紙袋は乾いていた。
雨の湿気も、駅の古い匂いもしなかった。
中には腕時計が入っていた。
父が死ぬ前に使っていた時計だった。
父は病気で死んだ。
駅ではない。
事故でもない。
ただ死ぬ前の日、俺は病院へ行かなかった。
その日、父から電話があった。
俺は出なかった。
電車は古い車両だった。
緑とクリーム色の、写真でしか見たことがないような色だった。
扉が開いた。
中は明るかった。
座席に、父がいた。
駅員が横に立った。
お乗りになりますか、と言った。
俺は断った。
声が出なかったので、首を横に振った。
その瞬間、透明な客たちが全員こちらを見た。
駅員の顔が濃くなった。
父の顔ではなかった。
俺の顔だった。
正確には、少し年を取った俺の顔だった。
駅員は笑っていなかった。
床の隅に紙が落ちていた。
拾った。
切符だった。
薄い桃色で、端が焼けたように黒かった。
駅名は読めなかった。
駅前のベンチで切符をもう一度見た。
裏に鉛筆で数字が書いてあった。
44-4-4
そう読めた。
元スレッド: 始発待ちの駅で透明な駅員に会った話を書く(141レス)